濁るべき岩井の水にあらねども
汲まば宿れる月や騒がん
- 歌の意味
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汲んだからといって濁るような岩井の水ではないけれども、汲めば、そこに宿っている月の光が揺れ乱れるだろうか。
- 鑑賞
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雑歌 947
詞書は前の歌に続き「題しらず」
汲んでも濁るような岩井の水ではないけれども、汲めば、そこに宿っている月の影が揺れ乱れるだろう、と詠む。水に映る月を惜しんで、汲むのをためらう心を述べている。前の第九百四十三首の岩井の水を汲む歌、前歌の清水に宿る月の歌を受けている。
初句「濁るべき」は、濁るはずの、の意である。
二句「岩井の水に」の「岩井」は、岩の間から湧き出る泉である。
三句「あらねども」は、ないけれども、の意である。
四句「汲まば宿れる」は、汲むならばそこに宿っている、の意で、前歌の「宿る月影」を受けている。
結句「月や騒がん」の「や」は疑問の係助詞で、「ん」と係り結びをなし、月が揺れ乱れるだろうか、と結ぶ。
いはゐ:岩の間から湧き出る泉
さわぐ:揺れ乱れる
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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嵐越す峰の木の間を分けきつつ 谷の清水に宿る月影
- 次の歌
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ひとり住む庵に月のさし来ずは 何か山辺の友にならまし