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ひとり住む庵に月のさし来ずは
何か山辺の友にならまし

歌の意味
ひとりで住む庵に月の光が差し込んでこなかったならば、何が山辺の暮らしの友になっただろうか。
鑑賞
雑歌 948

詞書は前の歌に続き「題しらず」
 ひとりで住む庵に月の光が差し込んでこなかったならば、何が山辺の暮らしの友になっただろうか、と詠む。孤独な山住まいのなかで、月だけが友であることを述べている。

 初句「ひとり住む」は、ひとりで住む、の意である。
 二句「庵に月の」は、庵に月の光が、の意である。
 三句「さし来ずは」は、差し込んでこなかったならば、の意である。
 四句「何か山辺の」の「か」は疑問の係助詞で、結句の「まし」と係り結びをなしている。
 結句「友にならまし」の「まし」は反実仮想の助動詞で、友になっただろうか、と結ぶ。

やまべ:山のほとり、山の近く
作者
西行
出典
山家集
前の歌
濁るべき岩井の水にあらねども 汲まば宿れる月や騒がん
次の歌
尋ね来て言問ふ人のなき宿に 木の間の月の影ぞさし来る