- 歌の意味
- 訪ねて来て言葉をかけてくれる人もいない住まいに、木の間を漏れる月の光が差し込んでくることだ。
- 鑑賞
-
雑歌 949
詞書は前の歌に続き「題しらず」
訪ねて来て言葉をかけてくれる人もいない住まいに、木の間を漏れる月の光が差し込んでくる、と詠む。人の訪れのない孤独な住まいに、月だけが訪れてくることを描き、前歌の「月が友」という心を受けている。
初句「尋ね来て」は、訪ねて来て、の意である。
二句「言問ふ人の」の「言問ふ」は、言葉をかける、訪れる、の意である。
三句「なき宿に」は、いない住まいに、の意である。
四句「木の間の月の」は、木の間を漏れる月の、の意である。
結句「影ぞさし来る」は、係助詞「ぞ」と連体形「来る」による係り結びで、光が差し込んでくる、と結ぶ。
こととふ:言葉をかける、訪れる
- 作者
- 西行
- 出典
- 山家集
- 前の歌
- ひとり住む庵に月のさし来ずは 何か山辺の友にならまし
- 次の歌
- 柴の庵は住み憂きこともあらましを 伴ふ月の影なかりせば