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晴れ間なく雲こそ空に満ちにけれ
月見ることは思ひ絶えなん

歌の意味
晴れ間もなく雲が空いっぱいに満ちてしまった。月を見ることはあきらめてしまおう。
鑑賞
雑歌 954

詞書は前の歌に続き「題しらず」
 晴れ間もなく雲が空いっぱいに満ちてしまった、月を見ることはあきらめよう、と詠む。前歌で雲にこの空だけに漂えと言ったとおり、空一面が雲に覆われ、ついに月見をあきらめる心を述べている。

 初句「晴れ間なく」は、晴れ間もなく、の意である。
 二句「雲こそ空に」の「こそ」は係助詞で、三句の「けれ」と係り結びをなしている。
 三句「満ちにけれ」は、満ちてしまった、の意である。ここで句切れとなる。
 四句「月見ることは」は、月を見ることは、の意である。
 結句「思ひ絶えなん」の「なん」は強い意志を表し、あきらめてしまおう、と結ぶ。

はれま:雲の切れ目
おもひたゆ:あきらめる、断念する
作者
西行
出典
山家集
前の歌
月を見るほかもさこそは厭ふらめ 雲ただここの空に漂へ
次の歌
濡るれども雨漏る宿の嬉しきは 入り来ん月を思ふなりけり