- 歌の意味
- 山里では、谷の筧の水が途切れ途切れになると、水を恋う水恋鳥の声が聞こえてくる。
- 鑑賞
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雑歌 957
詞書は前の歌に続き「題しらず」
山里では、谷から引く筧の水が途切れ途切れになるにつれて、水を恋うて鳴くという水恋鳥の声が聞こえてくる、と詠む。水が乏しくなる夏の山里の情景を、筧の水と鳥の名とを結びつけて描いている。
初句「山里は」は、山里では、の意である。
二句「谷の筧の」の「筧」は、竹などを渡して水を引く樋である。
三句「絶え絶えに」は、途切れ途切れに、の意である。
四句「水恋鳥の」の「水恋鳥」はアカショウビンの異名で、水を恋うて鳴くとされ、三句の水の途切れと結びつけている。
結句「声聞こゆなり」の「なり」は推定の助動詞で、声が聞こえてくる、と結ぶ。
かけひ:竹などを渡して水を引く樋
みづこひどり:アカショウビンの異名
- 作者
- 西行
- 出典
- 山家集
- 前の歌
- 分け入りて誰かは人を尋ぬべき 岩陰草の茂る山路を
- 次の歌
- 番はねど映れば影を友として 鴛鴦すみけりな山川の水