番はねど映れば影を友として
鴛鴦すみけりな山川の水
- 歌の意味
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つがいではないけれども、水に映ると自分の影を友として、鴛鴦が住んでいたことだ。澄んだ山川の水に。
- 鑑賞
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雑歌 958
詞書は前の歌に続き「題しらず」
鴛鴦は雌雄仲むつまじくつがいでいる鳥とされる。つがいではないけれども、澄んだ山川の水に映る自分の影を友として、鴛鴦が住んでいた、と詠む。ひとりで住む鴛鴦に、孤独な山住まいの自分を重ねている。
初句「番はねど」は、つがいではないけれども、の意である。
二句「映れば影を」は、水に映ると自分の影を、の意である。
三句「友として」は、友として、の意である。
四句「鴛鴦すみけりな」の「すみ」は、鴛鴦が住む意と、水が澄む意とを掛けた掛詞である。「な」は詠嘆の終助詞で、ここで句切れとなる。
結句「山川の水」は体言止めで、澄んだ山の川の水で結ぶ。
をし:鴛鴦、雌雄仲むつまじい鳥とされる
つがふ:二つが組になる、つがいとなる
すむ:住む意と、澄む意を掛ける
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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山里は谷の筧の絶え絶えに 水恋鳥の声聞こゆなり
- 次の歌
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連ならで風に乱れて鳴く雁の しどろに声の聞こゆなるかな