- 歌の意味
- 列をなさずに風に乱れて鳴く雁の、その声が乱れて聞こえてくることだ。
- 鑑賞
-
雑歌 959
詞書は前の歌に続き「題しらず」
列をなさずに風に乱れて鳴く雁の声が、乱れて聞こえてくる、と詠む。本来は列をなして飛ぶ雁が、風に乱されてばらばらに鳴くさまを、声によってとらえている。
初句「連ならで」は、列をなさないで、の意で、雁が列をなして飛ぶことを踏まえている。
二句「風に乱れて」は、風に乱されて、の意である。
三句「鳴く雁の」は、鳴く雁の、の意である。
四句「しどろに声の」の「しどろ」は、乱れているさまの意である。
結句「聞こゆなるかな」の「なる」は推定の助動詞で、聞こえてくることだ、と詠嘆して結ぶ。
しどろ:秩序なく乱れているさま
つら:列
- 作者
- 西行
- 出典
- 山家集
- 前の歌
- 番はねど映れば影を友として 鴛鴦すみけりな山川の水
- 次の歌
- 晴れがたき山路の雲に埋もれて 苔の袂は霧朽ちにけり