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晴れがたき山路の雲に埋もれて
苔の袂は霧朽ちにけり

歌の意味
なかなか晴れない山路の雲に埋もれて、苔の衣の袂は霧に湿って朽ちてしまったことだ。
鑑賞
雑歌 960

詞書は前の歌に続き「題しらず」
 なかなか晴れない山路の雲に埋もれて、苔の衣の袂が霧に湿って朽ちてしまった、と詠む。深山で修行する遁世者の厳しい暮らしを、霧に朽ちる袂によって表している。

 初句「晴れがたき」は、なかなか晴れない、の意である。
 二句「山路の雲に」は、山路にかかる雲に、の意である。
 三句「埋もれて」は、埋もれて、の意である。
 四句「苔の袂は」の「苔の袂」は、遁世者の粗末な苔の衣の袂である。
 結句「霧朽ちにけり」は、霧に湿って朽ちてしまった、の意で、「にけり」の詠嘆で結ぶ。

こけのたもと:苔の衣の袂、遁世者の粗末な衣
作者
西行
出典
山家集
前の歌
連ならで風に乱れて鳴く雁の しどろに声の聞こゆなるかな
次の歌
つづら這ふ端山は下も茂ければ 住む人いかに木暗かるらん