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春浅き篠の籬に風冴えて
まだ雪消えぬ信楽の里

歌の意味
春もまだ浅く、篠竹の垣根に吹く風は冷え冷えとして、まだ雪の消えない信楽の里であることよ。
鑑賞
雑歌 967

詞書は前の歌に続き「題しらず」
 春もまだ浅く、篠竹の垣根に吹く風は冷たく、まだ雪の消えない信楽の里である、と詠む。近江国の山里である信楽の早春の寒々とした情景を描いている。ここから各地の地名や風物を詠む歌が多く続く。

 初句「春浅き」は、春になってまだ日が浅い、の意である。
 二句「篠の籬に」の「篠」は篠竹、「籬」は竹や柴で作った垣根である。
 三句「風冴えて」の「冴ゆ」は、冷え冷えとする、の意である。
 四句「まだ雪消えぬ」は、まだ雪の消えない、の意である。
 結句「信楽の里」は体言止めで、近江国の山里の地名で結ぶ。

すず:篠竹
まがき:竹や柴で作った垣根
さゆ:冷え冷えとする
作者
西行
出典
山家集
前の歌
谷風は戸を吹き開けて入るものを 何と嵐の窓叩くらん
次の歌
水脈淀む天の川岸波立たで 月をば見るやさへさみの神