- 歌の意味
- その光は、曇りのない月が磨いたのであった。稲の葉にかかって朝日に輝く露の玉は。
- 鑑賞
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雑歌 969
詞書は前の歌に続き「題しらず」
稲の葉にかかって朝日に輝く露の玉は、その光を、夜の間に曇りのない月が磨いたのであった、と詠む。朝日に輝く露の美しさを、夜の月光が磨いたものと見立てている。
初句「光をば」は、その光を、の意である。
二句「曇らぬ月ぞ」は、曇りのない月が、の意で、「ぞ」は係助詞で、三句の「ける」と係り結びをなしている。
三句「磨きける」は、磨いたのであった、の意である。ここで句切れとなる。
四句「稲葉にかかる」は、稲の葉にかかっている、の意である。
結句「朝日子の玉」の「朝日子」は朝日の意で、朝日に輝く露の玉で結ぶ。倒置によって初句の「光」の主となっている。
あさひこ:朝日
いなば:稲の葉
- 作者
- 西行
- 出典
- 山家集
- 前の歌
- 水脈淀む天の川岸波立たで 月をば見るやさへさみの神
- 次の歌
- 磐余野の萩が絶え間のひまひまに 児手柏の花咲きにけり