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衣手に移りし花の色かれて
袖ほころぶる萩が花摺り

歌の意味
袖に移った萩の花の色もあせて、その袖もほころびてしまった萩の花摺りの衣であることよ。
鑑賞
雑歌 971

詞書は前の歌に続き「題しらず」
 萩の花を摺りつけて染めた衣の、袖に移った花の色もあせ、袖もほころびてしまった、と詠む。花の盛りの過ぎたことと、衣の古びたこととを重ねている。前歌の萩を受けている。

 初句「衣手に」は、袖に、の意である。
 二句「移りし花の」は、移った花の、の意で、萩の花の色が袖に染まったことをいう。
 三句「色かれて」は、色があせて、の意である。
 四句「袖ほころぶる」は、袖がほころびる、の意で、花がほころびる意を響かせている。
 結句「萩が花摺り」の「花摺り」は、花を摺りつけて染めることで、体言止めで結ぶ。

ころもで:袖
はなずり:花を衣に摺りつけて色を移し染めること
作者
西行
出典
山家集
前の歌
磐余野の萩が絶え間のひまひまに 児手柏の花咲きにけり
次の歌
小笹原葉末の露は玉に似て 石なき山を行く心地する