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雲取や志古の山路はさておきて
小口が原のさびしからぬか

歌の意味
雲取山や志古の山路の寂しさはさておいて、小口の原こそ、寂しくないことがあろうか。
鑑賞
雑歌 977

詞書は前の歌に続き「題しらず」
 雲取山や志古の山路の寂しさはさておいて、小口の原こそ、寂しいではないか、と詠む。雲取、志古、小口はいずれも紀伊国の熊野参詣の道筋の地名である。熊野への険しい山道の寂しさを、地名を連ねて詠んでいる。

 初句「雲取や」の「雲取」は、熊野の雲取山で、熊野参詣の難所である。
 二句「志古の山路は」の「志古」は、熊野の地名である。
 三句「さておきて」は、それはそれとして、の意である。
 四句「小口が原の」の「小口」は、熊野の雲取越えの途中の地名である。
 結句「さびしからぬか」の「か」は反語で、寂しくないことがあろうか、と結ぶ。

くもとり:熊野参詣の難所の雲取山
作者
西行
出典
山家集
前の歌
根渡しにしるしの竿や立てつらん こひき待ちつる越の中山
次の歌
麓行く舟人いかに寒からん 熊山岳を下ろす嵐に