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折りかくる波の立つかと見ゆるかな
さすがに来ゐる鷺の群鳥

歌の意味
折り返し寄せる白波が立っているのかと見えることだ。実は、やって来て止まっている鷺の群れであった。
鑑賞
雑歌 979

詞書は前の歌に続き「題しらず」
 折り返し寄せる白波が立っているのかと見えるが、実はやって来て止まっている鷺の群れであった、と詠む。白い鷺の群れを白波に見立てている。

 初句「折りかくる」は、波が折り返し寄せかける、の意である。
 二句「波の立つかと」は、波が立つのかと、の意である。
 三句「見ゆるかな」の「かな」は詠嘆の終助詞で、ここで句切れとなる。
 四句「さすがに来ゐる」の「さすがに」は、そうはいってもやはり、実は、の意で、「来ゐる」はやって来て止まる意である。
 結句「鷺の群鳥」は体言止めで、群れをなす鷺で結ぶ。

むらどり:群れをなしている鳥
作者
西行
出典
山家集
前の歌
麓行く舟人いかに寒からん 熊山岳を下ろす嵐に
次の歌
わづらはで月には夜も通ひけり 隣へ伝ふ畔の細道