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わづらはで月には夜も通ひけり
隣へ伝ふ畔の細道

歌の意味
月の明るい夜には、苦労することもなく夜でも行き来したことだ。隣家へと続く田の畔の細道を。
鑑賞
雑歌 980

詞書は前の歌に続き「題しらず」
 月の明るい夜には、隣の家へと続く田の畔の細道を、苦労することもなく夜でも行き来した、と詠む。月明かりのもとで隣家と行き来する、田園の素朴な暮らしを描いている。

 初句「わづらはで」は、苦労することもなく、の意である。
 二句「月には夜も」は、月の明るい夜には夜でも、の意である。
 三句「通ひけり」は、行き来したことだ、の意である。ここで句切れとなる。
 四句「隣へ伝ふ」は、隣の家へと続く、の意である。
 結句「畔の細道」は体言止めで、田の間の細い道で結ぶ。

あぜ:田と田の間の境、畔
作者
西行
出典
山家集
前の歌
折りかくる波の立つかと見ゆるかな さすがに来ゐる鷺の群鳥
次の歌
荒れにける沢田の畔に苦参生ひて 秋待つべくもなきわたりかな