- 歌の意味
- 荒れてしまった沢田の畔に苦参が生い茂って、実りの秋を待つこともできそうにない辺りであることよ。
- 鑑賞
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雑歌 981
詞書は前の歌に続き「題しらず」
荒れてしまった沢田の畔に苦参が生い茂り、実りの秋を待つこともできそうにない辺りである、と詠む。前歌の畔の細道とは対照的に、耕す人もいなくなった荒れ田の寂しさを描いている。
初句「荒れにける」は、荒れてしまった、の意である。
二句「沢田の畔に」の「沢田」は沢に近い湿った田の意である。前歌の「畔」を受けている。
三句「苦参生ひて」の「苦参」はマメ科の草で、根が苦いことからその名がある。六音の字余りである。
四句「秋待つべくも」は、実りの秋を待つことも、の意である。
結句「なきわたりかな」の「わたり」は辺りの意で、「かな」の詠嘆で結ぶ。
くらら:マメ科の草、根が苦い
さはだ:沢に近い湿った田
わたり:辺り
- 作者
- 西行
- 出典
- 山家集
- 前の歌
- わづらはで月には夜も通ひけり 隣へ伝ふ畔の細道
- 次の歌
- 伝ひくる打樋を絶えず任すれば 山田は水も思はざりけり