- 歌の意味
- 身にしみた秋の荻の音とは変わったけれども、雨まじりに吹きしぶく風こそ、本当にもの憂いことだ。
- 鑑賞
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雑歌 983
詞書は前の歌に続き「題しらず」
秋に身にしみた荻の葉音とは変わったけれども、冬の雨まじりに吹きしぶく風こそ、本当にもの憂い、と詠む。秋の荻の風の寂しさと、冬の吹きしぶく風のわびしさとを比べている。
初句「身にしみし」は、身にしみた、の意である。
二句「荻の音には」は、荻の葉を吹く風の音には、の意で、秋の寂しさの代表とされる。
三句「変はれども」は、変わったけれども、の意である。
四句「しぶく風こそ」の「しぶく」は、雨まじりに激しく吹く、の意である。「こそ」は係助詞で、結句の「憂き」と結ぶ。
結句「げには物憂き」の「げに」は、本当に、の意で、もの憂い、と結ぶ。
をぎ:イネ科の草、葉音が秋の寂しさを表す
しぶく:雨まじりに激しく吹く
- 作者
- 西行
- 出典
- 山家集
- 前の歌
- 伝ひくる打樋を絶えず任すれば 山田は水も思はざりけり
- 次の歌
- 小芹摘む沢の氷のひま絶えて 春めき初むる桜井の里