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鶯は田舎の谷の巣なれども
だびたる音をば鳴かぬなりけり

歌の意味
鶯は田舎の谷に巣を作っているけれども、田舎びた声では鳴かないのであった。
鑑賞
雑歌 992

詞書は前の歌に続き「題しらず」
 鶯は田舎の谷に巣を作っているけれども、田舎びた声では鳴かないのであった、と詠む。山里に住みながらも美しい声で鳴く鶯をたたえ、戯れの趣を込めている。

 初句「鶯は」は、鶯は、の意である。
 二句「田舎の谷の」は、田舎の谷の、の意である。
 三句「巣なれども」は、巣であるけれども、の意である。
 四句「だびたる音をば」の「だぶ」は、田舎びる、なまる、の意で、田舎びた声を、の意である。
 結句「鳴かぬなりけり」の「なりけり」は気づきの詠嘆で、鳴かないのであった、と結ぶ。

だぶ:田舎びる、なまる
作者
西行
出典
山家集
前の歌
山深み霞こめたる柴の庵に 言問ふものは鶯の声
次の歌
鶯の声に悟りを得べきかは 聞く嬉しきもはかなかりけり