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鶯の声に悟りを得べきかは
聞く嬉しきもはかなかりけり

歌の意味
鶯の声によって悟りを得ることができようか。それを聞いて嬉しく思うのも、はかないことであった。
鑑賞
雑歌 993

詞書は前の歌に続き「題しらず」
 鶯の声によって悟りを得ることができようか、それを聞いて嬉しく思うのもはかないことであった、と詠む。美しい鶯の声に心ひかれる自らを省み、それもまた悟りから遠い執着であることを述べている。前の二首の鶯の歌を受けている。

 初句「鶯の」は、鶯の、の意である。
 二句「声に悟りを」は、声によって悟りを、の意である。
 三句「得べきかは」の「かは」は反語で、得ることができようか、いやできない、の意である。ここで句切れとなる。
 四句「聞く嬉しきも」は、聞いて嬉しいのも、の意である。
 結句「はかなかりけり」は、はかないことであった、の意で、「けり」の詠嘆で結ぶ。

さとり:迷いを離れて真理を悟ること
作者
西行
出典
山家集
前の歌
鶯は田舎の谷の巣なれども だびたる音をば鳴かぬなりけり
次の歌
過ぎて行く羽風なつかし鶯に なづさひけりな梅の立枝に