古典和歌stream

同じくは月の折咲け山桜
花見る夜半の絶え間あらせじ

歌の意味
どうせ咲くのなら、月の明るい時に咲け、山桜よ。花を見る夜の間に、途切れがないようにしよう。
鑑賞
雑歌 996

詞書は前の歌に続き「題しらず」
 どうせ咲くのなら、月の明るい時節に咲け、山桜よ、そうすれば花を見る夜に途切れがないだろう、と詠む。花と月とをともに愛した西行の、昼も夜も花を見続けたいという願いを述べている。

 初句「同じくは」は、同じことならば、どうせなら、の意である。
 二句「月の折咲け」は、月の明るい時に咲け、の意で、命令形である。
 三句「山桜」は、山に咲く桜への呼びかけである。ここで句切れとなる。
 四句「花見る夜半の」は、花を見る夜の、の意である。
 結句「絶え間あらせじ」の「じ」は打消意志の助動詞で、途切れがないようにしよう、と結ぶ。

よは:夜中、夜
作者
西行
出典
山家集
前の歌
山もなき海の面にたなびきて 波の花にもまがふ白雲
次の歌
古畑の岨の立つ木にゐる鳩の 友呼ぶ声にすごき夕暮