荒磯の波にそなれて這ふ松は
鶚のゐるぞたよりなりける
- 歌の意味
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荒磯の波に打たれて地を這うように伸びた松は、鶚がとまることがよりどころであった。
- 鑑賞
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雑歌 1000
詞書は前の歌に続き「題しらず」
荒磯の波に打たれて地を這うように伸びた松は、鶚がとまってくれることだけがよりどころであった、と詠む。荒波にさらされて這う松と、そこにとまる鶚とを描き、孤独のなかの小さな慰めを見いだしている。
初句「荒磯の」は、荒波の打ち寄せる磯の、の意である。
二句「波にそなれて」の「そなる」は、波や風にさらされて傾く、の意である。
三句「這ふ松は」は、地を這うように伸びた松は、の意である。
四句「鶚のゐるぞ」の「鶚」は海辺に住む鷹の一種で、「ぞ」は係助詞で、結句の「ける」と係り結びをなしている。
結句「たよりなりける」の「たより」は、よりどころの意で、係助詞「ぞ」の結びの連体形で結ぶ。
そなる:波や風にさらされて傾く
みさご:海辺に住む鷹の一種
たより:よりどころ
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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潮風に伊勢の浜荻伏せばまづ ほすしほ波のあらたむるかな
- 次の歌
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浦近み枯れたる松の梢には 波の音をや風は借るらん