- 歌の意味
- 淡路島の瀬戸の余波は高くても、せめてこの潮の機会に押し切って渡りたいものだ。
- 鑑賞
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雑歌 1002
詞書は前の歌に続き「題しらず」
淡路島の瀬戸の余波は高くても、せめてこの潮の機会に押し切って渡りたい、と詠む。潮の流れの激しい瀬戸を舟で渡ろうとする旅の心を述べている。
初句「淡路島」は、瀬戸内海の島で、歌枕である。
二句「瀬戸のなごろは」の「なごろ」は、風がやんだ後も残る波、余波の意である。
三句「高くとも」の「とも」は逆接仮定の接続助詞で、高くても、の意である。
四句「この潮にだに」の「だに」は、せめて〜だけでも、の意である。
結句「押し渡らばや」の「ばや」は願望の終助詞で、押し切って渡りたい、と結ぶ。
なごろ:風がやんだ後も残る波、余波
せと:狭い海峡
- 作者
- 西行
- 出典
- 山家集
- 前の歌
- 浦近み枯れたる松の梢には 波の音をや風は借るらん
- 次の歌
- 潮路行くかこみの艫櫓心せよ またうづ速き瀬戸渡るほど