- 歌の意味
- 潮路を行く舟の水夫たちよ、艫の櫓に気をつけよ。また渦の速い瀬戸を渡る間は。
- 鑑賞
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雑歌 1003
詞書は前の歌に続き「題しらず」
潮路を行く舟の水夫たちよ、艫の櫓に気をつけよ、また渦の速い瀬戸を渡る間は、と詠む。前歌の瀬戸を渡る歌を受けて、渦巻く海峡を渡る舟の緊張を、水夫への呼びかけで描いている。二句の「かこみ」は語義が定かでないが、舟を操る水夫をいうと見られる。
初句「潮路行く」は、海の航路を行く、の意である。
二句「かこみの艫櫓」の「艫櫓」は、舟の後部の櫓で、「かこみ」は水夫をいうと見られる。
三句「心せよ」は命令形で、気をつけよ、の意である。ここで句切れとなる。
四句「またうづ速き」は、また渦の速い、の意である。
結句「瀬戸渡るほど」は、瀬戸を渡る間は、と倒置によって三句を受けて結ぶ。
ともろ:舟の後部の櫓
かこ:舟をこぐ人、水夫
- 作者
- 西行
- 出典
- 山家集
- 前の歌
- 淡路島瀬戸のなごろは高くとも この潮にだに押し渡らばや
- 次の歌
- 磯に折る波の険しく見ゆるかな 沖になごろや高く行くらん