近江路やのちの旅人急がなん
やす河原とて遠からぬかは
- 歌の意味
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近江路よ、後から来る旅人は急いでほしい。安いという名の野洲河原だからといって、遠くないことがあろうか。
- 鑑賞
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雑歌 1007
詞書は前の歌に続き「題しらず」
近江路を後から来る旅人は急いでほしい、野洲河原といっても、その名のように安々と着ける近い所ではないのだから、と詠む。野洲河原は近江国の野洲川の河原で、その名の「やす」に、たやすい意の「安し」を掛けて、旅人に呼びかけている。
初句「近江路や」は、近江国の道よ、の意で、「や」は詠嘆の間投助詞である。
二句「のちの旅人」は、後から来る旅人の意で、「のち」には近江の地名の「野路」が響いている。
三句「急がなん」の「なん」は他に対する願望の終助詞で、急いでほしい、の意である。ここで句切れとなる。
四句「やす河原とて」の「やす」は、地名の野洲と、たやすい意の安しとを掛けた掛詞である。
結句「遠からぬかは」の「かは」は反語で、遠くないことがあろうか、と結ぶ。
やす:地名の野洲と、たやすい意を掛ける
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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くれ舟よ朝妻渡り今朝なせそ 伊吹の岳に雪しまくめり
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里人の大幣小幣立て並めて 馬形結ぶ野辺になりけり