- 歌の意味
-
陸奥の奥が、心ひかれて知りたく思われることだ。壺の碑や、外の浜を吹く風が。
- 鑑賞
-
雑歌 1011
詞書は前の歌に続き「題しらず」
陸奥の奥が、心ひかれて知りたく思われる、壺の碑や外の浜の風が、と詠む。壺の碑と外の浜は、いずれも陸奥国の奥の果てにあるとされた歌枕である。陸奥を旅した西行の、さらに奥地へのあこがれを述べている。
初句「陸奥の」は、陸奥国の、の意である。
二句「おくゆかしくぞ」の「おく」は、陸奥の奥の意と、心ひかれる意の「奥ゆかし」とを掛けた掛詞である。「ぞ」は係助詞で、三句の「ゆる」と係り結びをなしている。
三句「思ほゆる」は、自然と思われる、の意である。ここで句切れとなる。
四句「壺の碑」は、陸奥国にあるとされた石碑で、歌枕である。
結句「外の浜風」の「外の浜」は、陸奥国の北の果ての浜で、体言止めで結ぶ。
おく:陸奥の奥の意と、心ひかれる意の奥ゆかしを掛ける
つぼのいしぶみ:陸奥国にあるとされた石碑
そとのはま:陸奥国の北の果ての浜
- 作者
-
西行
- 出典
-
山家集
- 前の歌
-
もののふの馴らすすさみはおもだたし あちそのしさり鴨の入れ首
- 次の歌
-
朝帰るかりゐうなこのむら友は 原の岡山越えやしぬらん