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菫咲く横野のつばな咲きぬれば
思ひ思ひに人通ふなり

歌の意味
菫の咲く横野に茅花が咲いたので、人々は思い思いに通ってくるようだ。
鑑賞
雑歌 1015

詞書は前の歌に続き「題しらず」
 菫の咲く横野に茅花が咲いたので、人々が思い思いに摘みに通ってくる、と詠む。横野は摂津国の歌枕で、茅花は茅萱の穂で、春に食用として摘まれた。春の野に人々が集う、のどかな情景を描いている。

 初句「菫咲く」は、菫の咲く、の意である。
 二句「横野のつばな」の「横野」は摂津国の歌枕で、「つばな」は茅萱の花穂である。
 三句「咲きぬれば」は、咲いたので、の意である。
 四句「思ひ思ひに」は、それぞれの思うままに、の意である。
 結句「人通ふなり」の「なり」は推定の助動詞で、人々が通ってくるようだ、と結ぶ。

つばな:茅萱の花穂、春に食用として摘まれた
作者
西行
出典
山家集
前の歌
諸声にもりかきみかぞ聞こゆなる 言ひ合はせてや妻を恋ふらん
次の歌
紅の色なりながら蓼の穂の からしや人の目にも立てぬは