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蓬生はさま異なりや庭の面に
烏扇のなぞ茂るらん

歌の意味
蓬の生い茂る荒れた庭は、ありさまが変わっていることだ。庭の面に、烏扇がどうして茂っているのだろう。
鑑賞
雑歌 1017

詞書は前の歌に続き「題しらず」
 蓬の生い茂る荒れた庭は、ありさまが変わっている、その庭の面に烏扇がどうして茂っているのだろう、と詠む。烏扇はヒオウギの異名である。荒れた庭に、思いがけない草が茂っているさまを描いている。

 初句「蓬生は」の「蓬生」は、蓬の生い茂る荒れた所である。
 二句「さま異なりや」は、ありさまが変わっていることだ、の意で、「や」は詠嘆の間投助詞である。ここで句切れとなる。
 三句「庭の面に」は、庭の表面に、の意である。
 四句「烏扇の」の「烏扇」は、ヒオウギの異名である。
 結句「なぞ茂るらん」の「なぞ」は、どうして、の意で、「らん」は現在推量の助動詞である。

よもぎふ:蓬の生い茂る荒れた所
からすあふぎ:ヒオウギの異名
作者
西行
出典
山家集
前の歌
紅の色なりながら蓼の穂の からしや人の目にも立てぬは
次の歌
刈り残す水の真菰に隠ろへて 影持ち顔に鳴く蛙かな