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刈り残す水の真菰に隠ろへて
影持ち顔に鳴く蛙かな

歌の意味
刈り残した水辺の真菰に隠れて、陰をわがもののような顔をして鳴く蛙であることよ。
鑑賞
雑歌 1018

詞書は前の歌に続き「題しらず」
 刈り残した水辺の真菰に隠れて、その陰を自分のものだという顔をして鳴いている蛙である、と詠む。真菰の陰で得意げに鳴く蛙のさまを、ユーモラスに描いている。

 初句「刈り残す」は、刈り残した、の意である。
 二句「水の真菰に」の「真菰」は水辺に生えるイネ科の草である。
 三句「隠ろへて」は、隠れて、の意である。
 四句「影持ち顔に」は、陰をわがもののような顔をして、の意である。
 結句「鳴く蛙かな」の「かな」は詠嘆の終助詞で、鳴く蛙であることよ、と結ぶ。

まこも:水辺に生えるイネ科の草
かくろふ:隠れる
かはづ:蛙
作者
西行
出典
山家集
前の歌
蓬生はさま異なりや庭の面に 烏扇のなぞ茂るらん
次の歌
柳原川風吹かぬ影ならば 暑くや蝉の声にならまし