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籬に咲く花に睦れて飛ぶ蝶の
羨ましくもはかなかりけり

歌の意味
垣根に咲く花に親しんで飛ぶ蝶が、うらやましくもあり、またはかなくもあることだ。
鑑賞
雑歌 1026

詞書は前の歌に続き「題しらず」
 垣根に咲く花に親しんで飛ぶ蝶が、うらやましくもあり、はかなくもある、と詠む。花に戯れる蝶の楽しげな姿をうらやみながらも、その命の短さにはかなさを感じている。

 初句「籬に咲く」の「籬」は低い垣根で、そこに咲く、の意である。
 二句「花に睦れて」の「睦る」は、親しむ、まとわりつく、の意である。
 三句「飛ぶ蝶の」は、飛ぶ蝶が、の意である。
 四句「羨ましくも」は、うらやましくもあり、の意である。
 結句「はかなかりけり」は、はかないことだ、の意で、四句の「羨まし」と対照させて結ぶ。

ませ:低い垣根
むつる:慣れ親しむ、親しくまとわりつく
作者
西行
出典
山家集
前の歌
とをちさすひたの面に引く潮に 沈む心ぞ悲しかりける
次の歌
移りゆく色をば知らず言の葉の 名さへあだなる露草の花