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移りゆく色をば知らず言の葉の
名さへあだなる露草の花

歌の意味
移ろいやすい色のことはともかく、その名前までもはかない露草の花であることよ。
鑑賞
雑歌 1027

詞書は前の歌に続き「題しらず」
 露草の花は色が移ろいやすいことで知られるが、そのことはさておいても、「露」という名前までもはかない花である、と詠む。露草の花の色のはかなさと、名に含まれる露のはかなさとを重ねている。

 初句「移りゆく」は、移ろってゆく、色があせてゆく、の意である。
 二句「色をば知らず」は、その色のことはさておいて、の意である。
 三句「言の葉の」は、言葉の、の意で、名前をいう。
 四句「名さへあだなる」の「あだ」は、はかない、の意で、名前までもはかない、の意である。
 結句「露草の花」は体言止めで、名に「露」を含む花で結ぶ。

つゆくさ:夏に青い花をつける草、色が移ろいやすい
あだ:はかない、むなしい
作者
西行
出典
山家集
前の歌
籬に咲く花に睦れて飛ぶ蝶の 羨ましくもはかなかりけり
次の歌
風吹けばあだに破れゆく芭蕉葉の あればと身をも頼むべきかは