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風吹けばあだに破れゆく芭蕉葉の
あればと身をも頼むべきかは

歌の意味
風が吹けばはかなく破れてゆく芭蕉の葉のように、今生きているからといって、わが身を頼みにできようか。
鑑賞
雑歌 1028

詞書は前の歌に続き「題しらず」
 風が吹けばはかなく破れてゆく芭蕉の葉のように、今生きているからといって、わが身を頼みにできようか、と詠む。芭蕉の葉は破れやすく、仏典でも身のはかなさのたとえとされる。本巻の第七百六十六首の「あればとて頼まれぬかな」と同じく、生きていることの頼りなさを述べている。

 初句「風吹けば」は、風が吹くと、の意である。
 二句「あだに破れゆく」は、はかなく破れてゆく、の意である。
 三句「芭蕉葉の」は、芭蕉の葉のように、の意で、身のはかなさのたとえである。
 四句「あればと身をも」は、生きているからといってわが身をも、の意である。
 結句「頼むべきかは」の「かは」は反語で、頼みにできようか、いやできない、と結ぶ。

ばせうば:芭蕉の葉、破れやすく身のはかなさのたとえとされる
やる:破れる
作者
西行
出典
山家集
前の歌
移りゆく色をば知らず言の葉の 名さへあだなる露草の花
次の歌
古郷の蓬は宿の何なれば 荒れゆく庭にまづ茂るらん