- 歌の意味
- 古い里は、かつて見た頃とは似ても似つかず荒れ果ててしまった。昔の人はどこへ行ってしまったのだろう。
- 鑑賞
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雑歌 1030
詞書は前の歌に続き「題しらず」
古い里は、かつて見た頃とは似ても似つかず荒れ果ててしまった、昔の人はどこへ行ってしまったのだろう、と詠む。前歌の荒れゆく庭を受けて、変わり果てた故郷と、いなくなった人々を思う懐旧の情を述べている。
初句「古里は」は、古い里は、の意である。
二句「見し世にも似ず」は、かつて見た頃にも似ないで、の意である。
三句「あせにけり」の「あす」は、衰える、荒れる、の意で、荒れ果ててしまった、の意である。ここで句切れとなる。
四句「いづち昔の」の「いづち」は、どこへ、の意である。
結句「人行きにけん」の「けん」は過去推量の助動詞で、行ってしまったのだろう、と結ぶ。
あす:衰える、荒れる
いづち:どこへ、どちらへ
- 作者
- 西行
- 出典
- 山家集
- 前の歌
- 古郷の蓬は宿の何なれば 荒れゆく庭にまづ茂るらん
- 次の歌
- 時雨るれば山めぐりする心かな いつまでとのみうちしをれつつ