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山人よ吉野の奥のしるべせよ
花も尋ねんまた思ひあり

歌の意味
山人よ、吉野の奥への道案内をしておくれ。花も尋ねたいし、またほかにも思うところがあるのだ。
鑑賞
雑歌 1034

詞書は前の歌に続き「題しらず」
 山に住む人よ、吉野の奥への道案内をしてほしい、花も尋ねたいし、またほかにも思うところがあるのだ、と詠む。吉野の奥は花の名所であるとともに、世を遁れて住む所でもあり、花を見ることとともに、奥山に身を隠したいという思いをほのめかしている。

 初句「山人よ」は、山に住む人よ、の意で、呼びかけである。
 二句「吉野の奥の」は、吉野山の奥の、の意である。
 三句「しるべせよ」は命令形で、道案内をしてくれ、の意である。ここで句切れとなる。
 四句「花も尋ねん」は、花も尋ねたい、の意である。
 結句「また思ひあり」は、またほかにも思うところがある、の意で、遁世への思いをほのめかしている。

やまびと:山に住む人
しるべ:道案内、導き
作者
西行
出典
山家集
前の歌
何となく芹と聞くこそあはれなれ 摘みけん人の心知られて
次の歌
わび人の涙に似たる桜かな 風身にしめばまづこぼれつつ