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風の音に物思ふ我が色染めて
身にしみわたる秋の夕暮

歌の意味
風の音によって、物思いをする私の心の色を染めて、身にしみわたる秋の夕暮れであることよ。
鑑賞
雑歌 1038

詞書は前の歌に続き「題しらず」
 風の音によって、物思いをする自分の心の色を染めて、身にしみわたる秋の夕暮れである、と詠む。秋の夕暮れの風の音が、物思う心をいっそう深い色に染め上げ、身にしみとおってゆくさまを描いている。

 初句「風の音に」は、風の音によって、の意で、六音の字余りである。
 二句「物思ふ我が」は、物思いをする私の、の意である。
 三句「色染めて」は、心の色を染めて、の意である。
 四句「身にしみわたる」は、身にしみとおる、の意で、三句の「染め」の縁で「しみ」と続けている。
 結句「秋の夕暮」は体言止めで、寂しさの極みとされる秋の夕暮れで結ぶ。

しみわたる:すみずみまでしみとおる
作者
西行
出典
山家集
前の歌
人も来ず心も散らで山陰は 花を見るにもたよりありけり
次の歌
我なれや風を煩ふ篠竹は おきふしものの心細くて