古典和歌stream

我なれや風を煩ふ篠竹は
おきふしものの心細くて

歌の意味
私自身なのであろうか、風に悩まされる篠竹は。起きては伏し、何とも心細そうで。
鑑賞
雑歌 1039

詞書は前の歌に続き「題しらず」
 風に悩まされる篠竹は、私自身なのだろうか、起きては伏し、何とも心細そうで、と詠む。風に吹かれて起き伏しする篠竹に、風邪を患って寝起きする心細い自らの姿を重ねている。

 初句「我なれや」の「や」は疑問で、私自身なのであろうか、の意である。ここで句切れとなる。
 二句「風を煩ふ」の「風」は、吹く風と風邪とを掛けており、風に悩まされる意と、風邪を患う意とを重ねている。
 三句「篠竹は」は、細い竹は、の意である。
 四句「おきふしものの」の「おきふし」は、竹が風に起き伏しする意と、人が起き伏しする意とを掛けた掛詞である。
 結句「心細くて」は、心細そうで、の意で、倒置によって初句を受けて結ぶ。

しのだけ:細い竹
おきふし:竹が風に起き伏しする意と、人が起き伏しする意を掛ける
作者
西行
出典
山家集
前の歌
風の音に物思ふ我が色染めて 身にしみわたる秋の夕暮
次の歌
来ん世にもかかる月をし見るべくは 命を惜しむ人なからまし