- 歌の意味
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住む人の心が、くむように思いやられる、澄んだ泉であることよ。その人は昔をどのように思い出しているのだろうか。
- 鑑賞
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雑歌 1043
詞書「泉の主隠れて、跡伝へたりける人のもとにまかりて、泉に向かひて古きを思ふと云ふ事を、人々よみけるに」
泉のある邸の主が亡くなり、その跡を受け継いだ人のもとを訪ねて、「泉に向かひて古きを思ふ」という題で人々が歌を詠んだ折の一首である。今そこに住む人の心が、泉の水を汲むように推し量られ、亡き主の昔をどのように思い出しているのだろうかと、跡を継いだ人の胸中を思いやっている。
泉の澄むさまと人の住むこと、水を汲むことと心を汲むことを重ねた技巧が一首の要であり、懐旧の題を、今住む人への思いやりとして詠み直している。
初句「すむ人の」の「すむ」は、「住む」と「澄む」を掛けた掛詞で、その邸に住む人と、澄んだ泉とを重ねている。
二句「心くまるる」の「くまるる」は、「汲まるる」と心を「酌まるる」を掛け、自然と推し量られる意を表す。「るる」は自発の助動詞「る」の連体形である。
三句「泉かな」の「かな」は詠嘆の終助詞で、三句切れとなる。「泉」は「すむ」「くむ」の縁語の中心となっている。
四句「昔をいかに」は、亡き主のいた昔をどのように、の意である。
結句「思ひ出づらん」の「らん」は現在推量の助動詞で、今住む人の思いを推し量っている。
すむ:「住む」と「澄む」を掛ける
くむ:泉の水を「汲む」意と、人の心を「酌む」、推し量る意を掛ける
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
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秋風のことに身にしむ今宵かな 月さへ澄める庭のけしきに
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今よりは昔語りは心せん あやしきまでに袖しをれけり