- 歌の意味
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あなたが去ってしまったら、月の出を待つというときにも、東の方の夕暮れの空をはるかに眺めやることだろう。
- 鑑賞
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雑歌 1046
詞書「相知りたりける人の、陸奥へまかりけるに、別れの歌よみけるに」
知り合いが陸奥へ下る際の別れの歌である。あなたが旅立ったあとは、月の出を待つふりをしながら、あなたのいる東の方の夕暮れの空を眺めることだろう、と詠む。月が東から昇ることと、友が東国へ去ることとを重ね、月を待つ心と人を思う心とを一つにしている。
別れの悲しみを直接言わず、未来の自分の姿を描いて惜別の情を示している点に味わいがある。西行自身も陸奥へ旅しており、東国の空への思いは本巻の奥州の旅の歌々にも通じている。
初句「君去なば」の「去なば」は、去るならば、の意で、未然形に「ば」が付いた仮定条件である。
二句「月待つとても」は、月の出を待つというときにも、の意で、月を待つことを口実のように示している。
三句「眺めやらん」の「眺めやる」は、遠くをはるかに見やる意、「ん」は推量の助動詞で、三句切れとなる。
四句「東の方の」は、東国の方角の、の意で、友の向かう陸奥を指すとともに、月の昇る方角でもある。
結句「夕暮の空」は体言止めで、月を待つ夕暮れの空に友を思う姿を余韻として残している。
いぬ:去る、行ってしまう
ながめやる:遠くをはるかに見やる
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
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なれ来にし都もうとくなり果てて 悲しさ添ふる秋の暮かな
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大原やまだ炭竈もならはずと 言ひけん人を今あらせばや