雪分けて深き山路にこもりなば
年かへりてや君に逢ふべき
- 歌の意味
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雪を分けて深い山路に籠もってしまったならば、年が改まってからあなたに会うことになるのだろうか。
- 鑑賞
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雑歌 1057
詞書「常よりも、道たどらるるほどに雪深かりける頃、高野へ参ると聞きて、中宮大夫のもとより、かかる雪にはいかに思ひ立つぞ、都へはいつ出づべきぞ、と申したりける返事に」
いつもより道をたどるのに苦労するほど雪が深い頃、西行が高野山へ向かうと聞いた中宮大夫から、このような雪の中でどうして思い立つのか、都へはいつ出てくるのか、と尋ねられたのに答えた歌である。雪を分けて深い山路に籠もったならば、年が改まってからでなければ会えないだろう、と答えている。
雪の深さと山の深さを重ね、山籠もりの決意と、友の気遣いへの感謝とを穏やかに表している。中宮大夫が誰を指すかについては定説を見ない。中宮大夫は中宮職の長官の呼称である。
初句「雪分けて」は、雪を踏み分けて、の意である。
二句「深き山路に」の「深き」は、雪の深さと山の奥深さの両方を響かせている。
三句「こもりなば」の「なば」は完了の助動詞「ぬ」の未然形に「ば」が付いた仮定条件で、籠もってしまったならば、の意である。
四句「年かへりてや」の「や」は疑問の係助詞で、結句の連体形「べき」で結ぶ係り結びとなる。「年かへる」は年が改まる意である。
結句「君に逢ふべき」は「や」の結びとして連体形で、あなたに会うことになるのだろうか、と結ぶ。
としかへる:年が改まる、新年になる
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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慕はれし名残をこそは眺めつれ たちかへりにし峰の秋霧
- 次の歌
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分けて行く山路の雪は深くとも とくたちかへれ年にたぐへて