立ち帰り君や訪ひ来と待つほどに
まだ消えやらず野辺の淡雪
- 歌の意味
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あなたがまた戻って訪ねて来るかと待っているうちに、まだ消えきらずにいる野辺の淡雪であることよ。
- 鑑賞
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雑歌 1067
詞書「返し」
前歌の西行の歌に対する静忍法師の返歌である。あなたがまた訪ねて来るのではないかと待っているうちに、野辺の淡雪はまだ消えきらずに残っている、と答えている。
雪が消えたかと案じる西行に対し、雪もまたあなたの再訪を待って消え残っている、と、雪に自らの待つ心を重ねて返した一首である。静忍法師は嵯峨に住んだ僧と見られ、西行と親しく交わった人である。
初句「立ち帰り」は、もう一度戻って、の意である。
二句「君や訪ひ来と」の「や」は疑問の係助詞で、あなたが訪ねて来るかと、の意を表す。
三句「待つほどに」は、待っているうちに、の意で、待つ主体には作者と淡雪とが重ねられている。
四句「まだ消えやらず」は、まだ消えきらずに、の意で、連用形で結句に続いている。
結句「野辺の淡雪」は体言止めで、前歌の「嵯峨野の雪」を受け、消え残る雪を余韻として残している。
あはゆき:うっすらと積もった消えやすい雪
きえやる:すっかり消えてしまう
- 作者
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静忍
- 出典
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山家集
- 前の歌
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おぼつかな春の日数のふるままに 嵯峨野の雪は消えやしぬらん
- 次の歌
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思ひ果てて古巣に帰る鶯は 旅のねぐらや住み憂かりつる