嵐吹く峰の木の葉に伴ひて
いづちうかるる心なるらん
- 歌の意味
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嵐の吹く峰の木の葉とともに、いったいどこへさまよい出ていく心なのだろうか。
- 鑑賞
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雑歌 1082
詞書「秋、遠く修行し侍りけるに、ほど経ける所より、侍従大納言成通のもとへ申し送りける」
秋に遠く修行の旅に出た西行が、かなり日数を経た旅先から侍従大納言藤原成通のもとへ書き送った一首である。嵐の吹く峰で散り舞う木の葉とともに、自分の心はいったいどこへさまよってゆくのだろう、と、行方の定まらない旅の心を詠んでいる。
嵐に吹かれる木の葉に、旅に浮かれ出る自らの心をなぞらえている。成通は蹴鞠の名手としても知られた公卿で、のちに出家して西行と親しく交わった。次の第千八十三首の成通の返歌と一組の贈答をなす。
初句「嵐吹く」は、激しい山風の吹く、の意である。
二句「峰の木の葉に」は、峰で散り舞う木の葉に、の意である。
三句「伴ひて」は、連れ立って、一緒になって、の意である。
四句「いづちうかるる」の「いづち」はどこへ、「うかる」は心が落ち着かずさまよい出る意である。
結句「心なるらん」の「らん」は現在推量の助動詞で、どこへさまよう心なのだろう、と自問している。
いづち:どこへ、どちらへ
うかる:心が浮かれてさまよい出る
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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思へただ暮れぬと聞きし鐘の音は 都にてだに悲しかりしを
- 次の歌
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なにとなく落つる木の葉も吹く風に 散りゆく方は知られやはせぬ