越え来つる都隔つる山さへに
果ては霞に消えぬめるかな
- 歌の意味
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越えてきた、都との間を隔てる山までもが、ついには霞の中に消えてしまったようであることよ。
- 鑑賞
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雑歌 1100
詞書は前の歌に続き「旅の歌よみけるに」
越えてきた山、すなわち都との間を隔てている山までもが、ついには霞の中に消えてしまったようだ、と詠む。旅を重ねるにつれて都が遠ざかり、都を隔てる山さえ見えなくなる心細さを表している。
都を隔てる山は、それでも都の方角を示す目印であった。その山さえ霞に消えたことで、都との最後のつながりが失われたような寂しさがにじむ。前歌が都の人の心を思いやったのに続き、本歌は目に見える都への手がかりの喪失を詠んでいる。
初句「越え来つる」は、越えてきた、の意で、「つる」は完了の助動詞の連体形である。
二句「都隔つる」は、都との間を隔てている、の意である。
三句「山さへに」の「さへ」は添加の副助詞で、山までもが、の意を表す。
四句「果ては霞に」は、ついには霞の中に、の意である。
結句「消えぬめるかな」の「める」は推定の助動詞「めり」の連体形で、消えてしまったように見える、と目に見える様子から推し量り、「かな」で詠嘆している。
へだつ:間を隔てる
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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草枕旅なる袖に置く露を 都の人や夕に見ゆらん
- 次の歌
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わたの原はるかに波を隔て来て 都に出でし月を見るかは