- 歌の意味
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仮の庵を結んで草を枕に寝る旅に連れ添って、笹の露にまでも宿っている月であることよ。
- 鑑賞
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雑歌 1109
詞書「笹の宿にて」
大峰の笹の宿という行場で詠んだ一首である。仮の庵を結んで草を枕に旅寝をする私に連れ添って、笹の葉の露にまで月が宿っている、と詠む。
宿の名の「笹」を生かし、笹の露に宿る月を、旅寝の伴侶として親しく描いている。人が宿に泊まるように、月も露に宿るという見立てが、孤独な修行の夜をやわらげている。前歌が池に澄む月を詠んだのに続き、本歌は露に宿る月を詠んでいる。
初句「庵さす」は、仮の庵を結ぶ、の意である。
二句「草の枕に」は、草を枕とする旅寝に、の意である。
三句「伴ひて」は、連れ添って、の意で、月が旅人の伴侶となっていることを表す。
四句「笹の露にも」の「笹」は宿の名を兼ね、「も」は、庵だけでなく露にまでも、の意を表す。
結句「宿る月かな」の「宿る」は、旅人が宿に泊まることと、月が露に映ることを重ね、「かな」は詠嘆の終助詞である。
いほりさす:庵を作る、仮の小屋を結ぶ
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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いかにして梢の隙もを求め得て 小池に今宵月の澄むらん
- 次の歌
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梢漏る月もあはれを思ふべし 光に具して露のこぼるる