分けて行く色のみならず梢さへ
千種の岳は心染みけり
- 歌の意味
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分けて行く草の色ばかりでなく、梢までもが色とりどりで、千種の岳は心にしみることだ。
- 鑑賞
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雑歌 1115
詞書「千種の岳にて」
大峰の千種の岳という所で詠んだ一首である。分け入って行く足もとの草の色ばかりでなく、梢までも色とりどりで、千種の岳はその名のとおり心に深くしみる、と詠む。
地名の「千種」に、さまざまな草、さまざまな色の意を響かせ、名にふさわしい景色の美しさに心を染められたことを表している。前歌の紅葉を受け、色づく秋の大峰の景が続いている。
初句「分けて行く」は、草を分けて行く、の意である。
二句「色のみならず」は、足もとの草の色ばかりでなく、の意である。
三句「梢さへ」の「さへ」は添加の副助詞で、梢までもが、の意を表す。
四句「千種の岳は」の「千種」は大峰の地名で、さまざまな草、色とりどりの意を響かせている。
結句「心染みけり」の「染む」は、心に深くしみ入る意で、「色」の縁語となり、「けり」は詠嘆である。
ちくさ:さまざまな種類、色とりどり
そむ:染まる、心に深くしみる
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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あはれとて花見し峰に名をとめて 紅葉ぞ今日は共にふりける
- 次の歌
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笹深み霧越す岫を朝立ちて なびきわづらふ蟻の門渡り