君を置きて立ち出づる空の露けさに
秋さへ暮るる旅の悲しさ
- 歌の意味
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あなたを残して旅立つ空の涙がちな湿っぽさに加えて、秋までもが暮れてゆく旅の悲しさであることよ。
- 鑑賞
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雑歌 1123
詞書「返し」
前歌に対する大宮の女房加賀の返歌である。あなたを残して旅立つ空は涙に濡れて露けく、そのうえ秋までも暮れてゆく、この旅の悲しさよ、と応えている。
前歌の「秋は暮れ」「旅の空」を受けて、去る側にも別れの悲しみがあることを詠み返している。残される者の寂しさと、去る者の悲しさとが、秋の終わりという同じ時に重ねられている。
初句「君を置きて」は、あなたを残して、の意で、字余りとなっている。
二句「立ち出づる空の」は、旅立って出てゆく空の、の意で、前歌の「旅の空」を受けている。
三句「露けさに」は、涙に濡れて湿っぽいことに、の意で、露と涙とを重ねている。
四句「秋さへ暮るる」の「さへ」は添加の副助詞で、秋までもが暮れてゆく、の意を表し、前歌の「秋は暮れ」を受けている。
結句「旅の悲しさ」は体言止めで、去る者の旅の悲しさを余韻として残している。
つゆけし:露に濡れて湿っぽい、涙がちである
- 作者
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大宮の女房加賀
- 出典
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山家集
- 前の歌
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秋は暮れ君は都へ帰りなば あはれなるべき旅の空かな
- 次の歌
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露置きし庭の小萩も枯れにけり いづら都に秋とまるらん