露置きし庭の小萩も枯れにけり
いづら都に秋とまるらん
- 歌の意味
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露の置いていた庭の小萩も枯れてしまった。いったい都のどこに秋がとどまっているというのだろう。
- 鑑賞
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雑歌 1124
詞書「塩湯出でて、京へ帰りまで来て、古里の花、霜枯れにける、あはれなりけり、急ぎ帰りし人のもとへ、又代はりて」
塩湯から京に帰ってくると、旧宅の庭の花が霜で枯れていて哀れであったので、先に急いで帰った人のもとへ、また人に代わって詠み送った一首である。露の置いていた庭の小萩も枯れてしまった、いったい都のどこに秋がとどまっているというのか、と詠む。
先に都へ帰った人は、秋を惜しんで都へ急いだのだろうが、都にもすでに秋は残っていない、と軽くからかうような趣がある。前の贈答の「秋は暮れ」を受け、去った秋を追う心を詠んでいる。次の第千百二十五首の加賀の返歌と一組をなす。
初句「露置きし」は、露が置いていた、の意で、「し」は過去の助動詞「き」の連体形である。
二句「庭の小萩も」は、庭の小さな萩も、の意である。
三句「枯れにけり」の「にけり」は完了と詠嘆で、枯れてしまったことだ、の意を表し、三句切れとなる。
四句「いづら都に」の「いづら」は、どこに、さあどこか、と問いかける語である。
結句「秋とまるらん」の「らん」は現在推量の助動詞で、秋がとどまっているのだろうか、と結ぶ。
いづら:どこ、どちら
こはぎ:小さな萩
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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君を置きて立ち出づる空の露けさに 秋さへ暮るる旅の悲しさ
- 次の歌
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慕ふ秋は露もとまらぬ都へと などて急ぎし舟出なるらん