- 歌の意味
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白河の関の番小屋を守るように、その隙間から漏れ入る月の光は、旅人の心を引き留めるのであったよ。
- 鑑賞
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雑歌 1126
詞書「陸奥へ修行してまかりけるに、白河の関に留まりて、所からにや常よりも月おもしろくあはれにて、能因が、秋風ぞ吹く、と申しけん折いつなりけんと思ひ出でられて、名残多く覚えければ、関屋の柱に書き付けける」
陸奥へ修行の旅に出て白河の関に泊まった夜、場所柄のせいか月がいつもより趣深く、能因法師が「秋風ぞ吹く」と詠んだのはいつのことだったかと思い出され、名残惜しく感じて関屋の柱に書き付けた一首である。関屋を漏れ入る月の光は、関が人を留めるように、旅人の心を引き留めるものであった、と詠む。
能因の「都をば霞とともに立ちしかど秋風ぞ吹く白河の関」(後拾遺和歌集)を思い起こしつつ、先人が歌枕として詠んだ白河の関に実際に立った感動が込められている。この歌は新古今和歌集の羇旅歌にも採られている。
初句「白河の」は、陸奥の入り口にある白河の関の、の意で、名高い歌枕である。
二句「関屋を月の」の「関屋」は関所の番小屋のことである。
三句「もる影は」の「もる」は、月の光が「漏る」意と、関を「守る」意を掛けた掛詞である。
四句「人の心を」は、旅人の心を、の意である。
結句「とむるなりけり」は、引き留めるのであったよ、の意で、関所が人を留めることに重ね、「けり」で気づきの詠嘆を表している。
せきや:関所の番小屋
もる:月の光が「漏る」意と、関を「守る」意を掛ける
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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慕ふ秋は露もとまらぬ都へと などて急ぎし舟出なるらん
- 次の歌
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都出でて逢坂越えし折までは 心かすめし白河の関