- 歌の意味
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都を出て逢坂の関を越えた時までは、心にかすかに思い浮かべていただけの白河の関であることよ。
- 鑑賞
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雑歌 1127
詞書「関に入りて、信夫と申すわたり、あらぬ世のことに覚えてあはれなり、都出でし日数思ひ続けられて、霞とともに、と侍ることの跡、辿りまで来にける心ひとつに思ひ知られてよみける」
白河の関を越えて信夫というあたりに入ると、まるで別の世界のように感じられて哀れであった。都を出てからの日数が思い続けられ、能因が「霞とともに」と詠んだその跡をたどってここまで来た心が、身にしみて思い知られて詠んだ一首である。都を出て逢坂の関を越えた頃までは、白河の関は心にかすかに思い浮かべていたにすぎなかった、と詠む。
前歌と同じく能因の白河の関の歌を踏まえ、その「霞」を「心かすめし」に響かせている。都の入り口の逢坂の関と、陸奥の入り口の白河の関という二つの関を対比し、はるばると旅してきた道のりの遠さを実感させる一首である。
初句「都出でて」は、都を出発して、の意で、字余りとなっている。
二句「逢坂越えし」は、近江の逢坂の関を越えた、の意で、都を出る最初の関を示す。
三句「折までは」は、その時までは、の意である。
四句「心かすめし」は、心にかすかに浮かんでいた、の意で、能因の歌の「霞」を響かせている。
結句「白河の関」は体言止めで、ついにたどり着いた陸奥の関を余韻として残している。
あふさか:近江国の逢坂の関
かすむ:かすかに浮かぶ。能因の歌の「霞」を響かせる
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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白河の関屋を月のもる影は 人の心をとむるなりけり
- 次の歌
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枯れにける松なき跡の武隈は みきと言ひてもかひなかるべし