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風荒き柴の庵は常よりも
寝覚めぞものは悲しかりける

歌の意味
風の荒い柴の庵では、いつもよりも、夜中の寝覚めがことに悲しいことであるよ。
鑑賞
雑歌 1134

詞書「同じ旅にて」
 前歌と同じ下野の旅で詠んだ一首である。風が荒く吹きつける柴の庵では、ふだんよりも夜中に目覚めたときがもの悲しい、と詠む。
 前歌の柴の煙に続き、旅先の柴の庵での夜を詠んでいる。荒い風の音に眠りを破られ、遠い旅の空で一人目覚める寂しさが、「寝覚め」の一語に凝縮されている。

 初句「風荒き」は、風が荒々しく吹く、の意である。
 二句「柴の庵は」は、柴で作った粗末な庵では、の意で、前歌の「柴の煙」と響き合っている。
 三句「常よりも」は、ふだんよりも、の意である。
 四句「寝覚めぞものは」の「ぞ」は強意の係助詞で、結句の連体形「ける」で結ぶ係り結びとなる。
 結句「悲しかりける」は「ぞ」の結びとして連体形で、悲しいことであった、と詠嘆している。

ねざめ:夜中に目を覚ますこと
作者
西行
出典
山家集
前の歌
都近き小野大原を思ひ出づる 柴の煙のあはれなるかな
次の歌
なにとなく都の方を聞く空は むつましくてぞ眺められける