いとどしく憂きにつけても頼むかな
契りし道のしるべ違ふな
- 歌の意味
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ますますつらいことにつけても、あなたを頼りに思うことよ。約束した仏の道への道案内を、どうか違えないでほしい。
- 鑑賞
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雑歌 1138
詞書「又、女房遣はしける」
讃岐の女房が、さらに西行へ送ってきた歌である。ますますつらい境遇につけても、あなたを頼りにしている、約束した仏道への導きを違えないでほしい、と訴えている。
配所での憂いが深まるにつれ、遁世者である西行に後世の導きを託そうとする切実な思いが表れている。「契りし道」は、仏道への導きを約束したことを指すと見られる。次の第千百三十九首とともに二首が送られ、第千百四十首、第千百四十一首の西行の返歌と対応している。
初句「いとどしく」は、ますます、いっそう、の意である。
二句「憂きにつけても」は、つらいことにつけても、の意である。
三句「頼むかな」の「かな」は詠嘆の終助詞で、あなたを頼りにすることよ、と三句切れとなる。
四句「契りし道の」は、約束した仏の道の、の意で、「し」は過去の助動詞「き」の連体形である。
結句「しるべ違ふな」の「な」は禁止の終助詞で、道案内を違えないでほしい、と結ぶ。
しるべ:道案内、導き
- 出典
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山家集
- 前の歌
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程遠み通ふ心のゆくかり なほ書き流せ水茎の跡
- 次の歌
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かかりける涙に沈む身の憂さを 君ならで又誰か浮かべん