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竹の音も荻吹く風の少なきに
たぐへて聞けばやさしかりけり

歌の意味
竹の葉音も、荻を吹く風の音が少ないのに添えて聞くと、優美なものであったよ。
鑑賞
雑歌 1146

詞書「山里へまかりて侍りけるに、竹の風の、荻にまがへて聞こえければ」
 山里に出かけたとき、竹を吹く風の音が、荻を吹く風の音と紛らわしく聞こえたので詠んだ一首である。荻を吹く風の音が少ない山里で、竹の葉音をそれに添えて聞くと、優美に感じられたことだ、と詠む。
 荻の葉音は秋風を告げる風情あるものとして和歌に好まれたが、山里には荻が少ない。その代わりに竹の音を荻の風になぞらえて聞くと、それもまた趣深い、という発見を詠んでいる。

 初句「竹の音も」は、竹の葉を鳴らす風の音も、の意で、字余りとなっている。
 二句「荻吹く風の」は、荻の葉を吹く風の、の意である。
 三句「少なきに」は、その音が少ない所で、の意である。
 四句「たぐへて聞けば」の「たぐふ」は、並べる、なぞらえる意で、荻の風になぞらえて聞くと、の意を表す。
 結句「やさしかりけり」の「やさし」は優美である意、「けり」は気づきの詠嘆である。

たぐふ:並べる、なぞらえる
やさし:優美である、上品である
作者
西行
出典
山家集
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昔見し松は老い木になりにけり 我が年経たるほども知られて
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よよ経とも竹の柱のひとすぢに 立てたるふしは変はらざらなん