大原は比良の高嶺の近ければ
雪降るほどを思ひこそやれ
- 歌の意味
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大原は比良の高嶺が近いので、雪の降る頃の様子をひたすら思いやることだ。
- 鑑賞
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雑歌 1155
詞書「寂然入道、大原に住みけるに遣はしける」
寂然が大原に住んでいたとき、西行が送った一首である。大原は比良の高嶺に近いので、雪の降る頃はどんなに寒く寂しいだろうと、ひたすら思いやっている、と詠む。
比良山は近江の湖西にそびえる山で、冬の雪で知られる歌枕である。友の住む大原の冬の厳しさを思いやる、温かな友情の歌である。次の第千百五十六首の寂然の返歌と一組をなす。
初句「大原は」は、寂然の住む大原は、の意である。
二句「比良の高嶺の」は、近江の比良山の高い峰が、の意である。
三句「近ければ」は、近いので、の意で、已然形に「ば」が付いた確定条件である。
四句「雪降るほどを」は、雪の降る頃を、の意である。
結句「思ひこそやれ」の「こそ」は強意の係助詞で、已然形「やれ」で結ぶ係り結びとなり、ひたすら思いやる、の意を表す。
ひら:近江国の比良山。雪で知られる歌枕
おもひやる:遠く離れた所の様子を思い浮かべる
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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忌むと言ひて影に当たらぬ今宵しも われて月見る名や立ちぬらん
- 次の歌
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思へただ都にてだに袖冴えし 比良の高嶺の雪のけしきを